2021年9月に読んだ本まとめ(読書術、資本論)

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こんにちはカソクです。

今回は9月に読んだ本を簡単に紹介します。
(もう10月の半ばですが…)

今回読んだ本は
・読書術
・まんが図解 まるかじり! 資本論
・高校生からわかる「資本論」
です。

興味ある方はどうぞ。

今月読んだ本

9月は引越しや転職の諸手続きが相次いでいたためあまり読めませんでした。

今月読んだ本はこちらです。

それぞれについて簡単に感想を書いていきます。

余談

ちなみに余談ですが、私は「Evernote」に読書記録を残しています。

上の画像のような形で各ノートを読んだ本に対応させており、ノートのタイトルを「yyyymmdd_本のタイトル」とする形で読書記録を取っています。
(日付部分がXXXXXXXXのものは読み途中のまま積読してしまった本です。
 こうみるとよく読む月とあまり読まない月があるのがわかりますね…)

読書記録の内容は、「本の詳細(著者や出版社、発行日など)」と「本を読んだ感想」、「個人的に面白かった点」などを記載しています。

そのうちこの読書記録の方法についても記事にまとめようと思います。

読書術


読書術 (岩波現代文庫)

 

こちらの本は加藤周一さんという方が1962年に書かれた本です。

内容としては様々な読書方法が章ごとに書かれているといったものになっています。
例えば、
・遅く読む精読術
・早く読む速読術
・難しい本を読む読破術
etc…
という具合です。

それぞれの読書方法は「お!試してみよう!」というものでもないです。

個人的に興味を持った部分は次の箇所です。

一度ゆっくりと論語などの古典を読むのは無駄にはならない

少なくとも一度や二度ゆっくり『論語』を読むのは、けっして時間のむだにはならないでしょう。

加藤周一著:読書術の45ページより

教養が欲しくていわゆるビジネス書ではなくて「古典」を読むようになってきたのですが、如何せんゆっくりと牛歩でしか読み進められませんでした。
やっぱり内容が難しかったり、文章が古めかしくてとっつきにくかったりとして。
ただ、上記の箇所あたりを読むと「ゆっくりと読むものなのかなぁ」と考えさせられ深く長く論語や聖書のような本と付き合っていこうと思えました。

現代の状況を知るためにマルクスの資本論を読むことは役に立つ

もし、私たちが生きている世界の全体を、あまり大きな偏見なしに、あまり大きな誤解もなしに、どうにかわかろうと思えば、最小限度の条件の一つとして、少なくともマルクスの本の中で大切な部分を、いくらかていねいに読んでみることが必要だろうということになります。

加藤周一著:読書術の54ページより

第一に、まだ社会主義国が一つしかなくて、しかもそれほど強大でなかった第一次大戦のころから、早くも日本ではマルクスの本が紹介され、翻訳され、研究されてきました。(中略)けれども、それを読むことは、明治憲法と治安維持法の下では、おまわりさんにつけまわされ、時と場合によっては牢屋にぶちこまれ、踏んだり蹴ったりされる危険を意味しました。

加藤周一著:読書術の55ページより

社会人になって、労働をしてお金をもらって、ただ景気は悪くて賃金は上がらない。その中で、なんとか株とか買ったりして配当をもらったりしてる人がいる一方、かと思えば東京の土地を持って不良所得を得てるような人がいたり。
両親が高卒の家庭に生まれて母親はパート父親は土方でなんとか大学まで行かせてもらえているような人がいたと思えば、金持ちの家庭に生まれてリスクなく勉強ができて幼児教育も受けて適当にのらりくらりと生きているような人がいる。

ただ、現代は資本主義社会だから資本を持っている人が得をするのは当たり前の常識のような世界で、それは間違っているとは言われない世の中で。その社会のあり方が正しいのかどうかも自分はわからないし。だからと言って社会主義は旧ソ連のようにうまく行かないものという認識があったり。

そんなふうに生きているけど、そもそも「資本主義」や「社会主義」って何かを学んだことがなかったので上記の部分を読んで勉強したいと思えました。
(現在は2冊目以降の本で簡単に資本論の内容を理解しましたが、読んでよかったと思えました)

ある本が難しいと感じるのは、今の自分がその本を必要と感じていないから

しかし、なぜ、一冊の本が私にとってむずかしいかといえば、その理由は、つまるところ、私がその本を求めていない、べつの言葉でいえば、私にとって少なくとも、いまその本は必要でないという点に帰着するでしょう。

加藤周一著:読書術の207ページより

冒頭で読書記録をちらっとお見せしたときに本を読むとき読まない時の波が顕著にあらわれているという話をしました。あれは、自分にとっておもしろいと思える本に出会えた時は一気に読みきれるので、そのような場合はたくさん読める月になります。

逆に内容があまりおもしろいと思えないと、その本と長くつきあってしまうので結果としてあまり本が読めない月になります。

そういったときは、その本を読まずにべつの本にうつればよいのですが、読みはじめたからには最後まで読まないとと思ってしまいます。

上記の引用した箇所を読んで、なるほど。本の内容がおもしろくないと感じるときは、いまはその本を必要としていないときなのかと思えました。

確かに、本の内容が現実の問題だったり日頃考えている思考内容とリンクしているようなときはスルスルと読めます。

(ちなみに「読書術」は1日でするすると読めました。必要としていた本だったのかもしれません。
 図書館で適当に手にとった本だったのですが、出会えてよかったです。)

まとめ

いわゆる読書法は手に入れることができませんでした。
本書で紹介されている「精読術」や「速読術」はあまり自分には響かなかったので。

ですが、上記で紹介した「古典をゆっくり読んでも良いんだよ」「資本論を読んでみるのはわるくないよね」「あまり本が進まないときはその本を必要としてないのかもよ」という箇所はとても共感できました。

1962年に書かれた古い本ですが、読みやすい文章なので数日で読めると思います。ぜひ読んでみてください。

まんが図解 まるかじり!資本論


まんが図解 まるかじり! 資本論

 

「資本論」の内容自体に対する感想などは最後にまとめて記載します。
ここでは、この本が「資本論」を知る上でどうだったかに重点を置いています。

こちらの本は前述の「読書術」の影響を受けてカールマルクスの「資本論」を読むために読みました。

こういった類のわかりやすく解説することを売り文句にしている本は各専門分野にありますが、
非常に読みやすく、内容もまとまっているので簡単に概要を掴むにはもってこいですね。
おそらく1日もあれば読み切れます。

1点注意なのは「”まんが”図解」というタイトルですが、まんが自体は全159ページ中の12ページしかありません。
なので、まんがで理解しようとされる方はこちらの本は適さないと思います。

ですが、内容自体は「資本論」の内容が簡潔にまとめられており非常にわかりやすかったです。

高校生からわかる「資本論」


池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

 

まんが図解の書籍だけでは資本論の内容が抑えられているのか不安だったので、次はこちらの池上彰さんの書籍を読むことにしました。

主な良い点としては下記になっています。
・資本論の原文(翻訳)を引用し、それを解説するという形で進んでいく。
・なぜ、原文がわかりづらいのかも交えながら資本論の内容を説明している。
・近代史と結びつけながら説明している
・語り口調で読みやすい
・雑学なども交えているので楽しみながら読める
・都度、内容のまとめがあるのでわかりやすい

資本論の内容を知りたいのであれば、こちらの書籍を読むことをおすすめします。
(もちろん、解説本とかではなく「資本論」自体を読んでしまうのでも良いと思いますが、概要を知る前だと時間がかかってしまう気もするので、こういった本を先に読んでおくほうが良いと思います。)

まとめ

「まんが図解 まるかじり資本論」も「高校生からわかる「資本論」」もどちらも簡単に資本論の内容を理解するという目的には良い書籍でした。

個人的には池上彰さんの「高校生からわかる資本論」の方だけを読んでおけば十分だと思います。

「まんが図解〜」の方で書かれている内容は全て「高校生から〜」の方に含まれていますので。

 

おまけ:資本論を学んでみて

資本論を学んでみて印象に残った箇所は以下の点です。
・プラスαの価値(剰余価値)が生まれるのは不払い労働(賃金の払われていない労働)からのみである
・剰余価値=利潤、すなわち資本である
・労働者は「労働力」を売っているはずなのに、実態は「労働」を売っていることになっている
・資本主義によって世界は発展した
・産業予備軍(フリーターや派遣)によって資本主義は成り立つ
・資本の蓄積がおきると、それに対応した貧困の蓄積もおきる

それぞれについて細かく内容や所感を記したいのですが、そうするとこの記事が長くなってしまうのでまたの機会にします。

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